べるかしき


古式です

2009年11月29日日曜日

GPUのスパコンが安いって報道,いろいろとタイミング悪いなー

西日本新聞スパコン開発で「ゴードン・ベル賞」 長崎大助教ら受賞 「国内最速」安価で実現より.

例えば誰でも考え付くようなネタでも,1万人が思いついて,100人が全力で取り組み,1人の成功者が出るというのは,よく知られたパターンです.市販のGPUを使い"スパコン"を3800万円で自作したとのことです.やらせたいシミュレーションにあわせたハードウェア/ソフトウェアの組み合わせがとても大切です.単に演算速度がはやけりゃいいのだという手段が目的になりかねない,論理にかけたといってもいいかもしれない考え方ではなくて,ちゃんと内容を見ないといけないですよねと,このニュースは語ってくれます.

で,このシミュレータの要は市販のGPUで演算処理能力を落とすことなくシミュレーションを走らせる"ソフトウェア"の1点にかかっているわけです.どんなソフトウェアかは学会や論文で発表して公知でしょう.例えば,この"アーキテクチャ"をIBMあたりが1000億円規模のハードウェアで実行したりした日には,単純に金額比例で線形に処理性能が伸びるという無茶な予測をすれば,地球シミュレータ2の2600倍の性能をたたき出す,なんてことになります.

端的に言えば,地球シミュレータ2が1年かけて10年後の気象シミュレーションを実行していたら,アメリカは翌日には同等のシミュレーション結果を条件を10パターン位ふって報告してくるようなものです.もう,とても話になりません.

むー,事業仕分けで政府が科学技術を捨てたという印象を与えたために,株式と為替で総すかんというのも面白かったけど,その肝心の科学技術の中身が,目的と手段があいまいで作ってもどうでしょう? という代物だったというのを,端的にこの時期に記事にしたところは,価値が大きい記事だなって思います.

そういえば2年前にソニーが長崎のCellの工場をうっぱらったりしたときも色々書いたけど http://belka-type.blogspot.com/search?q=cell,あのときちゃんと戦略もってやっていれば,次世代スパコンというPS3の本来の価値をもって,大儲けできたのにね.すでにハードとソフトの設備と技術者放出しちゃったあとだから,今からやっても手遅れだしね.

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